PHOTO: STEPHEN VOSS FOR THE WALL STREET JOURNAL
暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの崩壊により、業界寄りの規制が近く法制化されるとの希望は打ち砕かれた。米証券取引委員会(SEC)など関連規制当局に対しては、仮想通貨業界への締め付けを強化するよう圧力が強まっている。
上院農業委員会は10日、超党派の仮想通貨関連法案を今週審議するとしていた仮日程を撤回した。内情に詳しい関係筋が明らかにした。同法案はFTXの意見を基に策定されたもので、仮想通貨業界でも支持が広がっていた。一方、SECと司法省はFTXや米国の系列会社、創業者の投資会社とのつながりについて、包括的な調査に乗り出した。これについてはウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が9日、報じている。
SECのゲーリー・ゲンスラー委員長は9日、過去90年にわたり証券市場を律してきた既存の法規制を損なうとして、農業委の法案を批判した。規制当局者が議会の権限とみる立法化のプロセスを巡り、公然と批判を展開するのは異例だ。