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ニデックの第三者委員会調査報告書をきっかけに、注目を集めているのが「減損」です。連載『ビジネスパーソンに必須!経済&ビジネスの最重要キーワード』の今回のキーワードは減損。これは企業が持つ工場やのれんなどの資産価値を、将来の収益見通しに合わせて引き下げる会計処理を指します。基本的な考え方から、典型的なパターン、国際会計基準と日本基準・米国基準の違いまでを分かりやすく解説します。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
資産価値を実態に合わせて
引き下げる会計処理
今回のキーワードは「減損」です。
3月3日、ニデックは不正会計などを巡り社内を調査した第三者委員会の調査報告書を公表しました。併せて会社側は、過年度業績の下方修正などに伴う派生的影響として、主に車載事業に関連する「のれん」や「固定資産」について、約2500億円の資産を減損の検討対象とする可能性があると説明しています。ただし、実際の減損計上額や計上時期は未定です。
では、減損とは何なのでしょうか。
会計における減損とは、資産の帳簿上の価値を、事業の実態に合わせて引き下げることです。
企業が持つ建物、機械、工場、のれんなどの固定資産は、通常、その資産を使って将来キャッシュを生み、投資額を回収できることを前提に貸借対照表に計上されています。
しかし、買収の失敗や需要の悪化、収益性の低下などで、当初想定したほど稼げなくなることがあります。そうなると、帳簿上の資産価値が実態より高過ぎる可能性が出てきます。このとき、将来回収できる見込み額まで資産価値を切り下げる処理が減損です。
では、なぜ、企業の減損が注目されることが多いのでしょうか。それは、数式だけで明確に算出できるわけではなく、そこに「判断」が伴うからなのです。そして、そのルールが、企業がどの会計基準を採用しているかによって異なることも、影響してきます。
どういうことなのでしょうか。次ページでは、そもそも減損とは何か?を含めて、減損の典型的なパターンと、会計基準による考え方の違いを見ていきます。







