ホルムズ海峡封鎖長期化なら1ドル「165円」も!?原油130ドル高騰は輸入額9.7兆円増の円安圧力にPhoto:AFP=JIJI

中東不安定化で「有事のドル買い」
円安加速の鍵は原油価格と日米金利差

 米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃を機に、イランの反撃やホルムズ海峡の事実上の封鎖、サウジアラビアやカタール、UAEなどの周辺国で石油・天然ガス関連施設が一部被害を受けたことなどを受けて、原油価格が急騰。金融市場ではリスク回避の動きが強まる。

 6万円目前まで上昇していた日経平均株価は大幅に値下がりし、一方で債券市場では、安全資産とされる国債を買う動きが強まったが、その後は原油高に伴うインフレ懸念の高まりから、欧米を中心に利下げ観測が後退する形で金利上昇が優勢となるなど、まさに「Cash is King」の様相を呈している。

 為替市場では、有事の「ドル買い」が優勢となり、12日の東京外国為替市場では一時1ドル159円台前半まで円安が進んだが、戦闘の状況や周辺諸国を巻き込んでさまざまな事態が起きるなかで、原油価格や株価などとともに、日々、不安定な状態で揺れ動いている。

 為替相場の今後はどうなるのか。

 鍵となるのは、原油価格の今後や、インフレや景気への波及の下で日米の金利差がどうなるかだ。ホルムズ海峡の封鎖などが長期化した場合には、WTI原油価格が1バレル=130ドルまで上昇するとの見通しもある。

 そうした状況では、ドル円は1ドル=160円を上回る水準まで円安が加速し、165円をうかがう展開も視野に入ることになるだろう。

 ロシアのウクライナ侵攻を機にエネルギー・資源価格が高騰するなか、約32年ぶりの円安水準となった2022年の局面のようになる可能性がある。

 現状ではこれはあくまで最悪シナリオだが、当面はそうしたリスクを抱えながら円安の地合いが続くだろう。