医療ITエムスリーの時価総額が7兆円から半減
最近は、医療IT業界のトップをひた走ってきたエムスリーの2023年3月期第2四半期決算が、投資家の間で話題になった。2022年4~9月期の連結営業利益(国際会計基準)が、前年同期比で約4割も減ったと発表されたからだ。
エムスリーの谷村格社長は、大幅減益について「想定の範囲内」と強調したそうだ。減益要因は、前年同期に中国での子会社上場に伴う利益(営業利益で300億円強)を計上した反動減が大きいからだ。しかし、決算発表を受けて株価は急落。その影響もあって、同社の時価総額は21年1月の約7兆円をピークに、現在は3兆円程度に半減している。
また、通期の業績予想については、コロナ禍の影響が長期化・複雑化していることを理由に、非開示とした。こうした状況を鑑みると、エムスリーの好業績・高効率経営も、もはやこれまでか?今後は悪化していくのだろうか?などと疑いたくなる。
だが、実際のところはどうだろう?医療や製薬を取り巻く変化を踏まえつつ、エムスリーのビジネスモデルの特徴や強み、どのような経営戦略を描いているのか、製薬企業関係者に聞いて判明した、エムスリーが新たに狙うサービスの最新情報も踏まえて考えてみたい。