多くのデジタル通貨推進派にとって、暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの破綻は、「悪い」中央集権型暗号資産と「良い」分散型暗号資産との境界線を示すものだ。ただ残念ながらこの二つは、双方の支持者が認めるよりも複雑に絡み合っている。FTX破綻の余波は広がり、投資家がデジタル通貨を投げ売りしたり、他の中央集権型取引所から資金を引き揚げたりしている。暗号資産データ分析会社カイコによると、FTXの関連会社で、バランスシートに穴が開いた投資会社アラメダ・リサーチは、マーケットメイクで大きな役割を果たしていたため、その不在が値動きをいっそう不安定にしている。 今回の破綻騒動は、5月に始まった暗号資産レンディング(貸し出し)業者の相次ぐ破綻に続くもので、またしても過度のリスクと不透明な業務が引き金となった。