3年ぶりの正式な日韓首脳会談がカンボジアで行われた。今回の会談の焦点は、目下、日韓関係の最大の懸念である「徴用工問題」だった。岸田文雄首相は「早期解決を目指す」とコメントしたが、この会談の内容について韓国国民はどんな感想を持っているのだろうか?(ビジネスライター 羽田真代)
3年ぶりの日韓首脳会談、岸田首相は「懸案の早期解決を図る」と発言
11月13日、岸田文雄首相と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が、カンボジアで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)の会合のあとに日韓首脳会談を行った。日韓間で首脳会談が開かれたのは、文在寅(ムン・ジェイン)政権時の2019年12月以来で3年ぶりのことだ。
この会談では「外交当局間での協議が加速していることを踏まえて、懸案の早期解決を図ることであらためて一致をした」という。会談後、岸田首相はメディアにこのように発表した。懸念の早期解決とは、いわゆる徴用工問題のことだ。
徴用工問題について日本政府は、1965年に国交正常化をしたときに調印された日韓請求権問題(財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定)で既に解決済みの問題という立場である。2009年の李明博(イ・ミョンバク)政権時には、韓国政府が徴用工の未払い賃金などもこれに含められていたと公式に弁明した。韓国政府が徴用工被害者だと主張する人たちに対して補償し、補償が遅れたことを謝罪すれば済む話だ。
岸田首相はこれ以上、韓国に対して何をするつもりなのだろう。「懸案の早期解決を図ることであらためて一致をした」という発言は、日本がいまだに責任を果たしてないと認めてしまっているかのようだ。