うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格した杉山奈津子さんも、今や小学生の男の子の母。日々子育てに奮闘する中でとり入れている心理テクニックや教育方法をお届けします。今回は「テストの存在意義」についてです。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』も絶賛発売中です。ぜひご覧ください。
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学校では定期的にテストが行われています。ただ、学校側はテストをいったいどのような役割として捉えているのかな?と、疑問に思うことがあります。
というのも私が塾で教えている生徒から、「学校でテストが返却されても、ほとんど答え合わせをしないままで終わってしまう」という話をよく聞くのです。解き方や解答を詳しく書いたプリントが配布されるわけでもなく、授業でさっと正しい答えを伝えるだけのケースがかなり多いとのこと。これではあまりにも、フォローが雑すぎます。
そしてテストが終われば、授業では「その分野はひとまず終了」ということでひと区切りされ、どんどん次の単元に入っていってしまうのだそう。
テストの点数で一喜一憂しても意味はない
つまり、テストを行った後の、フィードバックがないのです。これでは、ただ生徒が点数に一喜一憂するだけで、成長もなにもないままになってしまいます。そのため、塾の生徒からは「テストを返してもらったけれど、この問題がわからないままなので、教えてもらいたい」と相談されることが多々あります。
テストは生徒自身にとっては、どの程度その単元の内容を理解しているか調べられる絶好のツールです。そして同時に教師側としては、多くの生徒が間違えたりわからなかったりした範囲を見つけ出せるものでもあります。そう考えると、テストは間違いが多かった分野を見直して補強するチャンスとして捉えるべきところではないでしょうか。