経済財政諮問会議に臨む日本銀行の植田和男総裁=2月22日、首相官邸
新日銀審議委員に浅田、佐藤両氏指名
早期利上げ観測は後退、「高市色」の本当の狙い
政府は2月25日、3月31日に任期満了となる野口旭審議委員の後任に浅田統一郎・中央大名誉教授を、また6月29日に任期満了となる中川順子審議委員の後任に佐藤綾野・青山学院大教授を充てる、日本銀行の政策委員の人事を国会に提示した。
今後、衆参両院で同意が得られれば、内閣が正式に任命することになる。
いわゆるリフレ派とされる野口委員と中立派とみられる中川委員の後任に、どちらもリフレ派とされる浅田、佐藤氏が提示されたことで、緩和志向の強い高市早苗首相の意向が反映されたとの評価が出ている。
たしかに、日銀の金融政策に理解を示した岸田文雄元首相以降は、リフレ派の委員が指名されることはなく、石破茂前首相の時もその流れは続いた。岸田氏以降の植田和男総裁、内田眞一、氷見野良三両副総裁、さらに4人の審議委員の指名があったからこそ、金融政策の正常化がここまで進んできたと言うこともでき、2人の新審議委員就任で流れが変わるとの見方も成り立つかもしれない。
しかし、もともとリフレ派の委員の後任にリフレ派を充てるというのは、ある意味自然な流れではある。結果として、独自の利上げ案を提案したことのある高田創、田村直樹という二人のタカ派委員に対して、リフレ派委員も二人ということになれば、政策委員会の委員構成はバランスの取れたものになるとの評価も可能だ。
後任の審議委員がどちらもリフレ派の指名となり、市場では3月あるいは4月の金融政策決定会合での早期利上げ観測が後退している。しかし、そもそも日銀が早期利上げを行おうとしていたのか疑問だ。
政府の物価高対策もあって、消費者物価上昇率が2%の物価安定の目標を下回り始める時にあえて日銀が利上げを急ぐ必要はない。中立金利に向けた利上げを慎重に続けるという日銀の基本方針が変わることはないだろう。
高市首相にとっても、また別の思惑があると考えられる。







