西武・そごうPhoto:PIXTA

行動制限が解除され、入国制限も大きく緩和されるなど、人々の生活は少しずつ「コロナ前」に戻りつつある。だが、一難去ってまた一難。ビジネスの世界では、円安や資材高が多くの企業を混乱のうずに巻き込んでいる。その状況下で、好決算を記録した企業とそうでない企業の差は何だったのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はセブン&アイ・ホールディングスやローソンなどの「コンビニ/スーパーマーケット」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)

セブン&アイが5割超の増収
好調をけん引した事業とは?

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のコンビニ/スーパーマーケット業界4社。対象期間は2022年5~9月の直近四半期(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは22年7~9月期、その他3社は22年6~8月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・セブン&アイ・ホールディングス
 増収率:53.2%(四半期の営業収益3兆2042億円)
・ローソン
 増収率:36.9%(四半期の営業総収入2457億円)
・イオン
 増収率:4.2%(四半期の営業収益2兆2840億円)
・パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(ドン・キホーテなど)
 増収率:6.3%(四半期の売上高4737億円)

 コンビニ/スーパーマーケット業界の4社はそろって増収で着地した。中でもセブン&アイ・ホールディングス(HD)は、前年同期の実績を5割以上も上回る大幅増収となった。

 セブン&アイ・HDの好調を支えた事業は何だったのか。また、好決算の裏側で、米国ファンドへの売却が発表された「そごう・西武」の直近の業績とは――。

 次ページでは、各社の増収率の時系列推移を紹介するとともに、セブン&アイ・HDの現状について詳しく解説する。