セブン解体#3Photo:AFLO

セブン&アイ・ホールディングスと双璧を成す流通業界の巨頭、イオン。今のところ、「コンビニエンスストア事業への集中」など、アクティビストから強い要求を突き付けられているのはセブン&アイの方だ。だが、流通関係者は「イオンも対岸の火事ではない」と声を潜める。特集『セブン解体』(全6回)の#3では、イオンに対する市場圧力の高まりが決して杞憂とはいえない理由を、セブン&アイとの比較などから解き明かす。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)

“セブン解体”はイオンにとっても
「対岸の火事」じゃない?

「実は、物言う株主(アクティビスト)がいかにも攻め込んできそうな“問題”を抱えている流通大手がある」

 流通関係者がそう声を潜めるのが、セブン&アイ・ホールディングスと双璧を成す流通業界の巨頭、イオンだ。

 今のところ、アクティビストに強い要求を突き付けられているのはセブン&アイの方である。2年ほど前から、営業利益の大部分を稼ぐコンビニエンスストア事業に集中するため、そごう・西武の売却や、祖業であるイトーヨーカ堂の分離などを求められてきた。

 しかしイオンも、収益性の低さ、そしてそれをもたらす要因を解消するため、市場からポートフォリオの見直しを問われる恐れがあるという。

 次ページでは、イオンに対する市場圧力の高まりが決して杞憂とはいえない理由を、セブン&アイとの比較などから解き明かす。