「いい会社」はどこにあるのか──? もちろん「万人にとっていい会社」など存在しない。だからこそ、本当にいい会社に出合うために必要なのは「自分なりの座標軸」である。そんな職場選びに悩む人のための決定版ガイド『「いい会社」はどこにある?』がついに発売された。20年以上にわたり「働く日本の生活者」の“生の声”を取材し、公開情報には出てこない「企業のほんとうの姿」を伝えてきた独立系ニュースサイトMyNewsJapan編集長・渡邉正裕氏の集大成とも言うべき一冊だ。同書のなかから厳選した本文を抜粋・再編集してお送りする。
「学問」を「就活楽勝度」でざっくり分けてみる
前回の記事では「学問の功利性」という観点から「新卒で雇われる力」を分析し、次のようなマップをご紹介した。
※参考記事:【出身大学&専攻別】「雇われる力」が一発でわかる“就活楽勝度マップ”
今回はこのマトリクスをさらに掘り下げていくことにしよう。
まず「雇われる力」は、強い順に①~⑤である。俗に就活楽勝度でざっくり分けると、右上のAエリア(楽勝)、真ん中のBエリア(OK)、左下のCエリア(厳しい)の、大きく3つに分けられる。
筆者は4列だったのでBエリアであったが、無知で自覚がなかった。そもそも2列(医学・薬学系)は情報が皆無で、検討すらしていない。まったく全体像を知らないまま大学生活を送っていた。本書のような情報が欲しかったと思っているから、いまこうして書いている。運が悪かったら、私のキャリアパスはどうなっていたかわからない。
今の22歳は、同年生まれが減少したことで、希少性が高まっている。ただし大学進学率が伸びたため、大学を新たに卒業する頭数は、20年前と比べ微増(約63万人)。これが供給数である。
需要のほうは、正規雇用の新卒採用数が、就職氷河期(1999~2005年)と比べれば明らかに増え、「団塊の世代」(現在70代前半)がこの10年ですっかり定年を迎えたため、需要過多で「売り手市場」となっており、全体としては、学生の側が選びやすい。だから、Cエリア(厳しい)でも、働き口は見つかる。
選ばれるのではなく、積極的に自分のほうから企業を選びにいってほしい。AやBのエリアでは特に強気に出られる。