写真:カヌレ1990年代に続き、再び再ブームが訪れている「カヌレ」(写真はイメージです) Photo:PIXTA

1990年代に流行した「カヌレ」が、2022年になって再びブームとなっています。「第2次カヌレブーム」ともいえる昨今では、有名洋菓子店やホテル、カフェ、コンビニなど、各社が続々とカヌレの新商品を発売しています。本記事ではコンビニの商品開発担当者へのインタビューも交えつつ、「なぜ今カヌレなのか?」の理由や、90年代のブームと今回の第2次ブームの違いを解き明かしていきます。(アステル 田村彩乃)

フランス・ボルドー地方
生まれの郷土菓子

 カヌレはフランス生まれのお菓子で、正式には「カヌレ・ド・ボルドー(cannele de bordeaux)」という名前。「カヌレ」の名前の由来ははっきりしませんが、フランスのボルドー地方で作られていた(あるいはボルドーの女子修道院で作られていた)、フランスの郷土菓子の一つです。

 材料は牛乳と薄力粉、バター、砂糖、全卵や卵黄にラム酒とバニラがベースで、全ての材料を混ぜ合わせてから「カヌレ型」という専用の型に生地を流し込んで焼き上げるのが一般的です。表面はザックリ(モノによってはバリッというくらい硬い)、中はしっとり、もっちりした食感が特徴です。

 そんなカヌレですが、日本では1990年代に最初のブームが起こり、多くの人が「カヌレとはどのようなお菓子なのか」を知ることとなりました。それから30年あまりがたった2022年現在、カヌレに2回目のブームが到来しています。

 ブームの兆しは2020~2021年頃から少しずつ見えてきていましたが、2022年に入ってから本格化。現在はカヌレ専門店も増えているほか、有名洋菓子店やホテル、カフェ、コンビニなど、さまざまな場所でカヌレが買えるようになっています。