写真:焼き芋,サツマイモ写真はイメージです Photo:PIXTA

昨今、サツマイモ人気が高まり、イベントや専門店も増加中だ。焼き芋や大学芋などをラインアップしている店も多いが、なぜここにきてサツマイモ専門店が人気なのか。サツマイモの生産・販売やコンサルティングを行う「さつまいもカンパニー」代表取締役の橋本亜友樹氏にその理由を聞いた。(清談社 沼澤典史)

約200年前から始まった
焼き芋ブームの歴史

 近年、街中では焼き芋、大学芋、その他スイーツなど、サツマイモ関連商品を販売する店舗が目に付くようになった。サツマイモ専門店も増加しており、焼き芋をメインに販売する「神戸芋屋 志のもと」は全国に5店舗、焼き芋やサツマイモスイーツを販売する「芋ぴっぴ。」は全国21店舗、大学芋などを販売する「おいもやさん興伸」は都内に10店舗を展開するなど、専門店が続々と規模を拡大している。

 また、2020年と今年には「さつまいも博」が「さいたまスーパーアリーナ けやきひろば」で開催。人気焼き芋店などが多数集い、2020年は5万人、今年は3万人が来場した。さらに、今年11月12日からは新宿・大久保公園にて「やきいもフェス TOKYO2022」が開催されるなど、サツマイモ人気の高まりは明らかだ。

 橋本氏も「店数の正確な統計はありませんが、ネットやSNSでも新店オープンのリリースなどは多く目にします。サツマイモ専門店は増えていると言っていいでしょう」と話す。

 このような専門店増加の背景には、約200年前から度々発生している「焼き芋ブーム」の影響があると橋本氏は言う。

 第1次焼き芋ブームは江戸時代後期に起きた。砂糖が貴重だった当時は、甘くて安い焼き芋は人気を博したという。そして、第2次ブームは明治から関東大震災頃まで、第3次ブームは1951年から1970年頃まで続く。1951年には、石焼き芋の引き売り屋台が東京に登場。これにより第3次ブームが引き起こされたが、1970年以降はファストフードの進出などもあり、ブームは衰退していったそう。