最近、コンビニで野菜や果物の販売が増えていると感じる。以前から地方では野菜販売に注力する店舗があったが、これが都内でもじわりと広まっているようなのだ。コンビニ各社に聞いた。(フリーライター 鎌田和歌)
その店舗の個性と思いきや、最近の傾向?
コンビニといえばメイン客層は独身や若い層、あるいは昼間のサラリーマン。そのようなイメージを持っていた筆者にとって、最近のコンビニは以前とは少し違うように感じている。
弁当・総菜のラインアップや味の向上は言うまでもなく、買って帰って皿に出せば立派な食卓の一品になり得る。「手軽で安いがそれなり」以上のものになりつつあると感じる。
最近の傾向としてそれ以上に驚くのは、野菜販売を始める店舗が目立ち始めたことだ。以前から、地方に行くとコンビニでは地場の野菜を売ったり、店舗によってはスーパーや道の駅並みのラインアップで野菜を仕入れていたり、といったケースがあることは知っていた。それが都内でも増え始めているようなのだ。
筆者は都内在住だが、野菜販売に積極的なコンビニが増え始めたと感じたのは1年半ほど前。それまでも近所に、店頭を見れば「八百屋かな?」と間違えるほどラインアップ豊富なローソンがあった。ただそれは、その店特有の個性であり、店主に何らかのこだわりや仕入れのツテがあるのだろうと思っていた。
しばらくして、その近くのファミリーマートも同じように野菜販売に力を入れ始め、あっという間に売り場面積に占める野菜の割合が増えた。当初は「スーパーに比べて割高だろう」という思い込みがあったが、値段を見るとそうでもない。もともと食材はスーパーでも販売店によって価格設定に差があるが、地域の庶民的スーパーと同程度の価格のものが多いと感じた。