【最新の認知症治療を実践する脳のカリスマが30年超の長寿研究から導いた幸せな生き方】
2010年代には大ベストセラー『100歳までボケない101の方法 脳とこころのアンチエイジング』で100歳ブームを巻き起こした医学博士・白澤卓二医師渾身の自信作『長寿脳──120歳まで健康に生きる方法』が完成。
人間の限界寿命とされる120歳まで生きる方法を提示します。
現在の脳のパフォーマンスを上げて、将来寝たきりや認知症にならずに長寿を目指す方法論が満載です。
個性的な脳を、個性のままに使う
個性的な脳を、個性のままに使うことが、「長寿脳」につながります。
例えばいつもの仕事のやり方や家事の進め方で、「思うように進まない」とか「イライラしてやる気がしない」ことがあったら、ほかのやり方を試してはいかがでしょうか。
パソコンで使うソフトを変えてみるとか、報告書の形式を見直すとか。
家事なら新しい器具や家電を使ったり、家事代行サービスを利用したり、家族で家事分担を見直して苦手なところは人に任せるというのも一案です。
うまい方法が見つかると、脳への負担が減ると思います。
趣味やスポーツでもそうです。
初日から「これは自分に向いている! なんだか楽しい!」というような感触があれば、それが自分の脳の個性に合ったものです。
例えば「ずっとピアノを弾きたかったけど、やってみたら全然ピンと来なかった」という場合は、気持ちを切り替えてバイオリンとかフルートとか、ほかの楽器を試してみると、自分に向いたものが見つかるかもしれません。
あるいは「健康にいいから」と人に強く勧められて、瞑想やヨガを始めたとしても、自分がしっくりこなかったら続ける意味はありません。我慢して何度もトライするよりも、その時間でほかのことに挑戦して自分の可能性を探ったほうが、よほど自分のためになります。
自分の脳の個性に合わせた生き方
苦痛だけど練習すれば楽しくなるはずだと思うのは、脳に無駄な努力を強いる考え方です。ある程度試して苦しいと思ったら、早々に見切りをつけたほうがいい。自分に合わないことに固執しても、脳にいいことはひとつもありません。
自分ができないことを無理して続けると、いつかひずみが出てきて、脳にストレスを与えるばかりか、長期的には多大な悪影響を及ぼす可能性もあります。
自分の脳の個性に合わせて生きたほうが絶対に楽しいし、ラクに生きられます。人生がずっとうまくいくと思います。
これが脳の使い方の長寿モードであり、「長寿脳」になる秘訣です。
本原稿は、白澤卓二著『長寿脳──120歳まで健康に生きる方法』からの抜粋です。この本では、科学的に脳を若返らせ、寿命を延ばすことを目指す方法を紹介しています。(次回へ続く)
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。現在、お茶の水健康長寿クリニック院長。