マツキヨPhoto:Diamond

行動制限が解除され、入国制限も大きく緩和されるなど、人々の生活は少しずつ「コロナ前」に戻りつつある。だが、一難去ってまた一難。ビジネスの世界では、円安や資材高が多くの企業を混乱のうずに巻き込んでいる。その状況下で、好決算を記録した企業とそうでない企業の差は何だったのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はウエルシアホールディングス、ツルハホールディングスなどの「ドラッグストア」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

マツキヨココカラが他社を圧倒
7割超の大幅増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は、以下のドラッグストア業界4社。対象期間は22年5~9月の直近四半期(ウエルシアホールディングス、ツルハホールディングスは22年6月~8月期、残りの2社は22年7~9月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・ウエルシアホールディングス
 増収率:13.7%(四半期の売上高2950億円)
・ツルハホールディングス
 増収率:3.2%(四半期の売上高2432億円)
・マツキヨココカラ&カンパニー(旧マツモトキヨシホールディングス)
 増収率:70.5%(四半期の売上高2379億円)
・サンドラッグ
 増収率:6.3%(四半期の売上高1728億円)

※コスモス薬品、スギホールディングスは、収益認識に関する会計方針の変更を行って前年同期比増収率の算出ができないため、今回は対象から除外した。

 ドラッグストア業界の主要4社全てが前年同期比で増収となった。中でも、マツキヨココカラ&カンパニーは7割を超える大幅増収で他社を大きく突き放している。一体なぜか。

 次ページ以降で詳しく解説する。