おひとりさまの老後には、現役時代には見えにくい落とし穴がある! それも踏まえた、お金&老後対策は必須です。男性の3.5人に1人、女性は5.6人に1人が生涯未婚と、独身者は急増中ですが、税金や社会保険などの制度は結婚して子どもがいる人を中心に設計されており、知らずにいると独身者は損をする可能性も。独身者と家族持ちとでは、本来お金についても老後対策についても「気を付けるべきポイント」が違います。独身者がひとりで楽しく自由に生きていくためにやっておくといい50のことを税理士の板倉京氏が著した「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、一部を抜粋して紹介します。
自分が築いてきた財産を誰に託すのか?
自分が死んだあとのことを、家族がいればある程度、任せることができますが、独身者は自分の死後のことも、考えておく必要があります。
誰に財産を残すか、遺言書を書くのか、お葬式・お墓はどうするのか、家の片付けのこと、ペットのことなど……。
自分の死んだあとのことを考えるなんて、あまり現実味がないかもしれませんが、「立つ鳥、跡を濁さず」です。目を背けず、準備することをおすすめします。
特に、すでに親や祖父母が亡くなり、ひとりっ子で独身の方は、法定相続人がひとりもいません。相続人がいないと、財産は死後、手続きを経て国庫行きとなってしまいます。自分の相続財産がすべて国のものになるなんて残念すぎますよね。
自分が働いて、築いてきた大事な財産を、誰に託したいのか、どのように使ってもらいたいのか、しっかりと考えて遺言書を書いておくことをおすすめします。自分の死後の手続きについては、第8章で説明しています。
一生自由に楽しく生きるためには準備をしっかり!
なんだか、脅すようなことばかり並べたててしまいましたが、恐ろしいのは何の準備もしないまま、老後に突入してしまうことです。
独身者は、家族持ちと違って、老後への準備を自分ひとりでしなくてはいけない反面、自分ひとりの心がけひとつで、好きなように準備することもできます。
協力的ではない家族がいたり、この先どれだけお金がかかるか分からない子どもがいたり……という家族持ちと比べれば、対策もスムーズにスタートできるのは大きなメリット。思い立ったが吉日ということで、是非、本書を利用して準備を始めてみてほしいと思います。
*本記事は、独身者向けのお金&老後対策を書いた、板倉京著「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、抜粋・編集して構成しています。