10月の外国為替市場介入額の1日当たりの
ドル円取引高に対する比率
今年1月、ドル円レートは平均で1ドル=114.8円だったが、10月には一時的に150円を超えた。予想を超える円安進行に、政府・日本銀行は24年ぶりのドル売り・円買い介入を実施し、10月の介入額は6兆円を超えた。為替介入の目的は為替レートの急激な変動を抑え、その安定化を図ることであり、為替介入後円安の流れは止まっている。鈴木俊一財務大臣は、介入に対する市場の警戒感にも言及しつつ、一定の効果があったと述べている。
ただ、10月の介入額は、1日当たりのドル円取引高の4.2%でしかない上に、為替レートの動きは日米金利差や経済物価状況など経済の基礎的条件によってほぼ説明できる。為替介入は、為替レートの均衡水準からの乖離が明確で、それが国内外で共有され、同時に金融政策も連動させれば効果を持ち得るというのが経験則だ。