北朝鮮の新型ICBM、兵器として依然技術不足Photo:SOPA Images/gettyimages

【ソウル】北朝鮮は、最近実施した大陸間弾道弾ミサイル(ICBM)の発射実験を祝った。世界は、金正恩政権がこうした軍事的虚勢を示すことを予想するようになっている。

 金正恩労働党総書記は、同国のミサイルを「われわれの子孫に代々受け継がれる記念碑のようなもの」と表現。ミサイル開発に関わる100人を超える軍関係者や科学者を昇進させた。また、ミサイル発射台車両に国家の英雄の称号を与え、自分の娘を試射の視察に同行させた。娘が公の場に登場したのは初めて。

 北朝鮮は、このICBMが最新世代の「火星17」と主張している。しかし専門家は、現時点では、このミサイルを米国に対する強力な兵器にする技術が北朝鮮には不足していると指摘している。

 11月18日に試射されたICBMは高角度のロフテッド軌道で発射され、最高高度は3700マイル(約6000キロメートル)超、飛行距離は約620マイルに達した。日本の当局者は、通常の軌道で発射されれば、米本土全体を射程に収めると述べた。

 金正恩政権にとって、核兵器の保有は体制転換の試みを未然に防ぎ、国家存続を保証するための手段だ。北朝鮮は、11月26日に開かれた最高人民議会(国会に相当)で署名され、翌日国営メディアを通じて発表された法令で、「米帝国主義者の核の優位性に対抗できる本格的な核保有国」となったと宣言した。最高人民議会は政権の政策を追認する組織だ。