米連邦準備制度理事会(FRB)当局者は来週の会合で政策金利を0.5ポイント引き上げる姿勢を示している。ただ、根強い賃金上昇圧力を背景に、政策金利は投資家の想定を上回る水準まで切り上がる可能性がある。
FRBはインフレ抑制に向け、1980年代初め以来の速いペースで利上げを進め、前回まで4会合連続で0.75ポイントの利上げを行った。
ジェローム・パウエルFRB議長は先週、12月13~14日の次回連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅を縮小する用意があることを示唆した。
利上げ幅が0.5ポイントに縮小されれば、金融引き締めは新たな段階を迎えることになる。当局者は物価上昇圧力が来年和らぐと予想する。ただ、賃金の大幅な伸びや労働集約的なサービス部門でのインフレ上昇を受け、投資家が現在予想する5%を上回る水準まで、来年金利を引き上げることに当局者の間で支持が広がることもありそうだ。
FRB高官は最近の発言やインタビューで、利上げが足りずにインフレ再燃を招いたり、過度な利上げによって不必要に景気を冷え込ませたりすることへの警戒感を示している。