たった90日で劇的に成績を上げる新メソッド、一挙公開! 学年最下位をとっていた落ちこぼれが、勉強に目覚め、たった90日で「京大模試D判定⇒A判定&全国1位」に。そして京大に合格。そのときの勉強法を再現性あるものに練り上げ、「いつ、どの教科を、どう勉強するか」という受験戦略を構築。その勉強メソッドをまとめたのが『逆転合格90日プログラム』。この特別寄稿は、その著者であり、予備校講師として、京大、早慶、医学部など、多数の合格実績を叩き出している篠原好氏が語る「暗記法」だ。(初出:2022年12月7日)

暗記大嫌い人間が生み出した「最強勉強法」、すぐできるコツ3選【書籍オンライン編集部セレクション】Photo: Adobe Stock

暗記が苦手だからこそ、いろいろ試した

 本日は、大学受験生はもちろん、一般の社会人の方でも使える「暗記術」を紹介します。

 まず、告白しないといけないことがあります。私自身、非常に暗記が苦手です。7年ほど使っている自分の携帯電話の番号を、いまだに覚えられていません。

 絶望的な記憶力だからこそ、「暗記」に対してたくさん工夫しました。もちろん、上手くいかなかった工夫もあるのですが、今回は「やってよかった」「オススメできる」暗記の工夫を3つ紹介します。

コツ①暗記事項は、一度に2つ以上覚えない

 一度にたくさんの暗記事項を覚えることは、不可能です。

 大学受験では、多義語と呼ばれる英単語を覚える必要があります。例えば、「present」という英単語には「現在の」という意味と、「出席している」という意味があります。

 ほとんどの単語帳は、このように1つの単語に2つ以上の意味が書いてあったり、プラスアルファの知識が書いてあったりします。そして、勉強に対して意識が高いほど、こういった詳細な知識まで覚えようとしたくなります。

 しかし、「二兎追う者は一兎をも得ず」。一度にたくさん覚えようとすると、失敗します。英単語であれば、1つの英単語に1つの意味を、まず覚えましょう。2つ目の暗記事項は、2周目以降に覚えればOKです。

コツ②システム化された「復習」をする

 暗記事項を覚えるには、復習することが重要です。一度に覚えることは不可能なので、何度も復習することで覚えるしかありません。

 しかし、指導経験、そして、私自身の勉強経験からも、「復習」の重要性は知っていても、実際に「復習」するのは面倒くさいものです。

 そこで、「復習」はシステム化するべきです。

 具体的には、「復習」する時間を、もともとの勉強スケジュールに織り込みます。拙著『逆転合格90日プログラム』では、受験生の復習頻度として、下記を推奨しています。

平日:起床後1回+就寝前1回
土曜日:起床後1回+昼1回+就寝前1回
日曜日:OFF

 学生ではなく、仕事の忙しい社会人であれば、下記のような頻度をオススメします。

平日:朝の通勤時間に1回+夕方の帰宅通勤時間に1回
休日:暗記事項のリストアップのみ行う

「復習しよう」と思っても、絶対にしないので、「絶対に復習にする時間」を決めて、手帳に書きしるし、さぼらないように(さぼってもさぼったことが分かるように)システム化しましょう。

コツ③少しでも解けるなら、早めに問題演習や過去問に入る

「単語帳」で覚えることは効率が悪いです。というのも「単語帳」は、統計的によく出ると分かっている単語が書かれていますが、実際に使う側としては「この英単語、重要なのかな?」と思ってしまい、覚える気が起きません。

 しかし、早めに演習をすることで、実際に単語帳に掲載されている単語が出ていることがわかります。すると、「この英単語は重要だ。実際に出ている!」となり、一気に覚える気が起きます。この効果は想像以上に大きいです。

 また、演習の中で、暗記事項を使うことになります。「使う」ことで覚えることができます。

 そこで、暗記事項の定着率が50%程度あれば、早めに問題演習に入りましょう。可能であれば、過去問を解くことをオススメします。

 私はこの勉強法で京都大学に合格できました。そして、化学系国家資格の最高峰の一つ「危険物取扱者試験(甲種)」にも合格できました。暗記事項を覚えることは、受験勉強最大の難関です。

 当然、苦労することの方が多く、なかなか一筋縄ではいきません。しかし、「暗記術」という技術で、記憶力の無さはカバーできます。すこしずつ、やっていきましょう!