数々の人気アニメ映画を
手掛けてきた宮崎駿

アニメーション映画監督の宮崎駿アニメーション映画監督の宮崎駿 Photo:Avalon/JIJI

 都内西郊の杉並区にある都立高校だ。周辺は典型的な住宅地で、サラリーマン家庭など中産階級の子弟が多い。自由でおおらかな校風を背景に、後年、文化人として活躍した卒業生が、多く巣立っている。

 スタジオジプリを主宰するアニメーション映画監督の宮崎駿(はやお)が、もっとも著名な卒業生だ。2001年公開の『千と千尋の神隠し』は観客動員数2352万人、興行収入316億円で、当時の日本国内歴代興行収入の第1位を達成した。2020年に『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が記録を更新するまで、20年近くにわたり首位記録を堅持した。

『千と千尋―』は、03年に日本テレビ系列で初めて放送された。視聴率は46.9%に達し、この年のNHK紅白歌合戦を1.0ポイント上回り、年間視聴率第1位を記録した。

『千と千尋―』は、2002年にはベルリン国際映画祭で最優秀作品賞である金熊賞を受賞した。03年にはアカデミー賞長編アニメ部門でも受賞するなど、宮崎作品は多くの国際映画賞を受賞した。

 さらにスタジオジプリは、『となりのトトロ』『魔女の宅急便』『もののけ姫』『崖の上のポニョ』など多くのアニメ映画でヒットを飛ばした。

 宮崎らの才能で、日本製アニメはゲームソフトと並んで、「クール(かっこ良い)・ジャパン」を象徴するコンテンツに育った。