日本銀行Photo:PIXTA

防衛費「GDP比2%」増額の財源は
国債であってはならない

 防衛力強化のあり方を議論する有識者会議が11月22日、報告書を岸田文雄首相に提出した。

 財源に関しては、歳出改革を進めることを前提に、「幅広い税目による負担が必要なことを明確にして、理解を得る努力を行うべきだ」として、「国債依存」を否定した。

 問題は、現実の政治メカニズムの中で、こうした方向をいかにして実現するかだ。

 報告書を受けて岸田首相は防衛費を5年以内にGDP 比2%まで増額するを方針を示し、12月5日には2023年度から5年間の防衛費総額を43兆円規模にすることを浜田防衛相と鈴木財務相に指示したという。

 だが与野党を問わず、歳出削減や増税には反対が強い。自民党の中では、「増税は論外、国債の増発で賄えばよい」という意見が強い。

 国債への依存をやめて原則や財政規律を担保する制度の確立が、焦眉の急だ。