米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長はここ9カ月、1980年代以来となる急ピッチの利上げを進めてきた。その結果、金融市場は混乱。住宅市場は急激に冷え込み、リセッション(景気後退)が迫っているとの懸念が強まっている。だが、実のところ、ここまでは平たんな道のりだった。  インフレが40年ぶりの水準に跳ね上がると、FRBは一枚岩となって積極的な利上げを推進してきた。しかしここにきて、インフレの高止まりがどれくらい持続し、かつどう対応すべきかを巡り、内部で亀裂が生じ始めている。  インフレは来年着実に沈静化するとみる当局者は、早期の利上げ停止が望ましいと考えている。