11×11~19×19をパパっと暗算できる「おみやげ算」。実は、このおみやげ算、例えば、31×32、84×86のように、「十の位が同じ2ケタの数どうしのかけ算」なら、すべて計算できます。『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』の著者である、東大卒プロ算数講師の小杉拓也氏に、わかりやすく解説してもらいました。
おみやげ算のおさらい
まず、おみやげ算での解き方を復習しておきましょう。
(例)18×17=
①18×17の右の「17の一の位の7」をおみやげとして、左の18に渡します。すると、18×17が、(18+7)×(17-7)=25×10(=250)になります。
②その250に、「18の一の位の8」と「おみやげの7」をかけた56をたした306が答えです。
まとめると、18×17=(18+7)×(17-7)+8×7=250+56=306です。
これで、「18×17=306」が計算できました。例えば、12×14、15×19、16×17などの「十の位が1の2ケタの数どうしのかけ算」は、おみやげ算を使ってすべて計算でき、慣れると暗算もできるようになります。
「十の位が同じ2ケタの数どうしのかけ算」も暗算できる!
新刊では解説していませんが、このおみやげ算、例えば84×86のように、「十の位が同じ2ケタの数どうしのかけ算」なら、すべて同様の方法で計算できます(「おみやげ算で計算できる理由の証明」については、本連載の第2回をご覧ください)。さっそく試してみましょう。
(例)84×86=
①84×86の右の「86の一の位の6」をおみやげとして、左の84に渡します。すると、84×86が、(84+6)×(86-6)=90×80(=7200)になります。
②その7200に、「84の一の位の4」と「おみやげの6」をかけた24をたした7224が答えです。
まとめると、84×86=(84+6)×(86-6)+4×6=7200+24=7224です。
これで、「84×86=7224」が計算できました。「十の位が同じ2ケタの数どうしのかけ算」は、おみやげ算を使ってすべて計算できます。
例えば、31×32なら、次のように計算できます。
31×32=(31+2)×(32-2)+1×2=990+2=992