『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』の著者である、東大卒プロ算数講師の小杉拓也氏は、次のように言います。「11×11~19×19が瞬時に暗算できる「おみやげ算」は学校では習わないが、実際はかなり有効な暗算法だ。それに加えて、おみやげ算ができるかできないかで、心理的なアドバンテージは変わってくる特に、直前期の受験生にとって、それは顕著である」
具体的にどういうことか、同氏に話を聞きました。

受験生は19×19までの暗算をマスターして「心理的優位」を身につけようPhoto: Adobe Stock

おみやげ算のおさらい

さっそくですが、おみやげ算の計算法について説明します。

(例)15×17=

①15×17の右の「17の一の位の7」をおみやげとして、左の15に渡します。すると、15×17が、(15+7)×(17-7) =22×10(=220)になります。

②その220に、「15の一の位の5」と「おみやげの7」をかけた35をたした255が答えです。
まとめると、15×17=(15+7)×(17-7)+5×7=220+35=255です。

この2ステップで、例えば、12×14、15×19、17×17などの「十の位が1の2ケタの数どうしのかけ算」は、おみやげ算を使ってすべて計算でき、慣れると暗算もできるようになります「おみやげ算で計算できる理由の証明」については、本連載の第2回をご覧ください