私たちは、「将来」や「老後」のことを第一に考え、「いま」やりたいことを我慢して必死に仕事を頑張ったり、お金をひたすら節約したりしがちだ。意識が「いま」に向いていないため、日常生活を心から楽しめていない人も少なくないだろう。
そんななか、限られた時間を有効活用し、「いま」を最大限楽しむメソッドを伝授する『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』が好評だ。読者からは、「正しい生き方を教えてくれる本」「本当に大切なものを再認識できた」という声が続々と寄せられている。本稿では、本書の内容をベースに、死ぬ前に絶対後悔する「間違ったお金の使い方」・ワースト1を紹介する。(構成/根本隼)

死ぬ前に絶対後悔する「間違ったお金の使い方」・ワースト1Photo:Adobe Stock

昨今の投資ブームは「必然」

 いま世の中には、投資などを通じてお金を「増やす」メソッドを指南する書籍やセミナーが満ちあふれ、「投資ブーム」とも呼ばれている。

 20年にわたって、日本の実質賃金は停滞し続け、平均年収は上昇するどころかむしろ低下した。さらに、所得が伸びないにもかかわらず、少子高齢化の影響で社会保障費は増加し続ける。そのため、将来お金で困らないために、一人ひとりが資産を増やすノウハウを積極的に学ぼうとするのは必然の現象だ。

 投資信託や不動産投資、NISAなど、さまざまな選択肢があり、スマホの普及で誰でも気軽に投資に挑戦できるようになったのもブームの一要因だろう。

増やしたお金は「どう使うべき?」

 しかし、増やしたお金は「どれくらい」使えばいいのだろうか? そして「どんなことに」使うべきなのだろうか? 

 この2つの問いに明確な回答を示しているのが、累計13万部突破のロングセラー『DIE WITH ZERO』だ。たった一度きりの人生を無駄にせず、最大限楽しむための「お金と時間の使い方」を伝授する本書には、「人生のバイブル」「理想の生き方を教えてくれる」といった読者の声が相次いでいる。

 そこで、本書より一部を抜粋・編集して、死ぬ前に後悔する「間違ったお金の使い方」を紹介する。

「収入の●割を貯金」と決めるのは絶対NG

 私は、誰にとっても当てはまる収入と支出の比率はないと考えている。何より、貯蓄に回すべき割合は、20代・30代・40代・50代と年齢によって変えていくべきだ。最適なバランスは人によって異なるし、年齢や収入に応じても変化する

 だが、ファイナンスの専門家は、年齢やそのときの経済的な状況にかかわらず、給料の一定額(たとえば、「1割」や「2割」)を貯蓄することをすすめている。

 2割の場合を見てみよう。これは「50-30-20ルール」と呼ばれる一般的な家計管理のルールに基づいている。このルールによれば、収入の50%は生活費(家賃、食費など)に、30%は人生を楽しむため(旅行、娯楽など)に使い、残りの20%は貯蓄や借金の返済に当てる。

 このバランスを、人生を通して保つのは正しくない。若く、これから数年間で収入の増加が十分に見込めるとき、収入の20%も貯蓄するなんてバカげている。
(P.154~155)

「若いうちにせっせと貯金」は死ぬ前に必ず後悔する

 若くて今後も収入増が見込める状態で、何も考えずに収入の20%を貯蓄していたとしたら、思い出に残る経験に金を使うチャンスを逃していることになる。

 さらにいえば、将来、さらに豊かになるはずの自分のために、今の若い自分が稼いだ金を捧げていることにもなる。一生の視点でみれば、これは最適な金の使い方とは言えない
(P.156)

(本稿は、『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』より一部を抜粋・編集して構成しました)