私たちは、「将来」や「老後」のことを第一に考え、「いま」やりたいことを我慢して必死に仕事を頑張ったり、お金をひたすら節約したりしがちだ。意識が「いま」に向いていないため、自分が生きている毎日を心から楽しめていない人も少なくないだろう。
そんななか、限られた時間を有効活用し、「いま」を最大限楽しむメソッドを伝授する『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』が好評だ。本稿では、本書の内容をベースに、老後に必ず後悔する「誤った時間の使い方」・ワースト2をご紹介する。(構成/根本隼)

老後に必ず後悔する「NGな時間の使い方」・ワースト2Photo:Adobe Stock

多くの人に共通する「人生で後悔していること」とは?

 これまでの人生を振り返ってみたときに、人はどんなことに後悔を感じるだろうか。年齢や歩んできたキャリアによって個人差はあるが、『DIE WITH ZERO』によると、多くの人に共通する「後悔のポイント」があるという。

 本書では、高齢者の緩和ケアの従事者である、オーストラリア人のブロニー・ウェア氏が、余命あと数週間の患者たちに「人生で後悔していること」について聞き取った内容が紹介されている。そのなかで多数を占めた意見が「時間の使い方」だったそうだ。

 人生の終わりが近づくと、何をやるべきだったか、自分にとって何が本当に大切だったのかがはっきりと意識される。そのため、彼らの見解は1つの真理だと言える。「人の一生は有限で、過ぎ去った時間は二度と取り戻せない」ということを心に留めておきたい。

 では、彼らは、具体的にはどのように時間を使うべきだったと悔やんでいるのだろうか。以下では、本書より一部を抜粋・編集し、最も多くの人が痛感した「誤った時間の使い方」・ワースト2を明かす。

老後に必ず後悔する「NGな時間の使い方」・ワースト2

① 周りに流されなければよかった
 最大の後悔は、「勇気を出して、もっと自分に忠実に生きればよかった」であった。他人が望む人生ではなく、自分の心のおもむくままに夢を追い求めればよかった、と。

 人々は、自分の夢を実現できなったことを後悔していた。自分の心の声に耳を傾けず、誰かに用意された人生を生きていると、人生の最後に大きな後悔を抱くのかもしれない。


② 仕事に時間を費やしすぎた
 2番目に多かったのは、「働きすぎなかったらよかった」だ。これは、まさに私が本書で主張していることの核心だ。よく言われるように、「人生を振り返ったとき、オフィスで長時間を過ごさなかったことを後悔する人などいない」のである。

 「私が看取った男性はみな、仕事優先の人生を生きてきたことを深く後悔していた」とウェアはつづっている(女性にも仕事をしすぎたことを後悔する人はいたが、患者の多くは高齢者であり、まだ女性が外で働くのが珍しい時代を生きてきた人たちだ)。


 さらに、働きすぎは後悔しても、一生懸命に子育てしたことを後悔する人はいなかった。多くの人は、働きすぎた結果、子どもやパートナーと一緒に時間を過ごせなかったことを後悔していたのだ。
(P.194~195)

(本稿は、『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』より一部を抜粋・編集して構成しました)