『あなたはもう、自分のために生きていい』の著者であるPoche(ポッシュ)さんは、人間関係、親子問題、アダルトチルドレン専門のカウンセラーです。2021年から始めたTwitterでは、日々、生きづらさに悩む人に向けて、今よりラクに生きる方法と生きづらさの原因を伝える発信をし、わずか1年でフォロワー2万人以上を集めました。また、カウンセリング後には「自分に自信を持てるようになった」「人との距離感に悩まなくなった」「自分らしさがわかってきた気がする」など感謝の声がたくさん寄せられています。
そんなPoche(ポッシュ)さんに、「すべては自分のせい」と責め続けてきて傷ついてしまった心を軽くして、少しでも生きやすくなるためのヒントを紹介してもらいます。
(※本稿は特別な書き下ろしです)

相手に悪気がなくても、事情があっても決して許さなくていい「たった1つの理由」【予約の取れないカウンセラーが教える】

それでも「なかったこと」にはできない

相手に悪気がなくても、事情があっても決して許さなくていい「たった1つの理由」【予約の取れないカウンセラーが教える】Poche(ポッシュ)
精神科クリニックに併設のカウンセリングルームで10年以上、心理カウンセラーとして勤務した後、独立。現在は人間関係、親子問題、機能不全家族専門カウンセラーとしてメールでのカウンセリングを中心に活動。2021年より悩みを抱える方たちに「気づき」を得てもらうことを目的としたTwitterでの発信を開始すると、1年後の2022年初めにフォロワー2万人超えとなる。メールでのカウンセリング、対面カウンセリングともにいつも予約がいっぱいで、現在も数ヵ月待ちの超人気カウンセラー。@Poche77085714

アノ人も大変だったのかもしれないし、
事情があったのかもしれない。
愛情の与え方を知らなかった
だけなのかもしれないし、
悪気がなかったのかもしれないし、
アノ人なりに
愛してくれたのかもしれない。

でも、だからといって
あなたが感じた寂しさや不安、傷ついたことを
「なかったこと」にする必要はない。

 * * *

あなただけが許す必要はない

「自分にも悪いところがあったのかも」
「相手にも何か事情があったのかも」
 何かあった時、客観的に物事を見て、冷静に判断することは必要です。
 このように考えられたからこそ、大切な人を傷つけずにすんだこともあったでしょう。

 でも相手の事情を理解することと、自分が感じた気持ちを「なかったこと」にするのは、別問題なのですよ。
 事情があるからと言って何をしてもいいわけではないし、何を言ってもいいわけではありません。相手の事情を理解して、あなただけが許したり我慢したりしなきゃいけないなんてルールはありません。

●傷ついた気持ちをなかったことにしてはいけない

「相手に悪気はなかったのだから」と傷ついた気持ちをなかったことにするのは、自分の気持ちを否定することにつながります。
 足を踏まれて「痛い!」と思った時に、「わざとじゃないんだから我慢しなさい」と諭されるようなものです。

 わざとではなくても、痛いものは痛いですよね。
「痛い!」と正直に感じることと、「痛い! 何してくれるんだ!!」と相手を責めて攻撃することは違います。
 だから、「痛い」と感じた気持ちまでなかったことにする必要はないのですよ。

●嫌なものは嫌でいい

 相手に悪気がなくても、心が傷つくことがあります。
 相手に何か事情があったとしても、許せないと思うこともあります。
 そういう人なのだと理解したとしても、嫌なものは嫌だし、苦手なものは苦手でいいです。

 あの人の事情を理解してあげたように、自分の気持ちも理解してあげてくださいね。