日本物流団体連合会(物流連)の池田潤一郎会長(日本船主協会会長、商船三井会長)は12月6日に記者会見し、2023年の物流業界について「我々物流業界とお客様である荷主とが物流を取り巻く課題に対する認識を共有し、一緒に対応策を図っていく必要性が高まるだろう」との認識を示した。また、中国から日本に生産活動が回帰する動きが出ていることについて、「国内で新たにモノが生産され、物流が発生することは物流業界にとっても有難いことだが、『2024年問題』や労働力不足が深刻化する中で、果たしてそれが可能なのか」との問題点を指摘した。(カーゴニュース)
国内物流は「2024年問題」が焦点に
池田会長は23年の物流業界に対する展望について、「海運を中心とした国際物流の世界では、米国西岸で多数の船が滞船するよう混乱はひとまず解消した。物量減もあり、昨年や今年前半のような大混乱は起きないだろう。しかし、欧州や米国では引き続きストライキの動きがあり、一部で混乱のタネは残っている」と述べた。
一方、国内物流については「『2024年問題』がいよいよ目先に迫ってくる。国内物流はその対応がクローズアップされるだろう。若年層を中心とした労働力不足によって物流現場は厳しくなってきており、コロナ前のようにスムーズかつ低コストで物流を担うことは難しくなってくる。前々から物流はその重要な役割に見合った対価を受け取るべきだと主張しているが、現実問題として物流にしわ寄せすればいいという状況ではなくなってきている。世間でもそうした認識が高まってくるのではないか」との考えを示した。
※2024年問題とは、働き方改革関連法によってドライバーの労働時間に上限が設定されることで生じる諸問題