「コミュニケーションは“お笑い”のスキルでもっとうまくいきます」。そう語るのは、元芸人でネタ作家の芝山大補氏だ。芸人300組以上のネタ制作に携わった経験を活かし、ビジネスパーソンから一般の方まで幅広い層に「コミュニケーションに活きる笑いのスキル」を教えている。そのノウハウをまとめた初の著書『おもろい話し方 ~芸人だけが知っているウケる会話の法則』が話題を集めている。「初対面でも会話が続く人がやっていること」「トークで相手を引き込むコツ」「相手の心に10倍響く“感想”の伝え方」「好かれるリアクションの極意」「すべらない話の作り方」「お笑いタイプ診断」など、元芸人ならではのコミュニケーションノウハウが満載の一冊だ。今回は、その芝山氏にコミュ力を高めるコツを聞いてみた。
イジリをしっかりと笑いに変えるコツ
皆さんは「前置き」を効果的に使えているでしょうか?
会話で前置きをうまく使えば、さまざまな場面でより良いコミュニケーションが生まれます。
誰かを「イジるとき」も、前置きを上手に使えば、よりおもしろく、笑いを起こせます。
〈イジる時の前置きの例①〉
A「このあいださ、公園でずっとボーっとしてたわ」
B「……ごめん、身も蓋もないこと言っていい?(前置き)」
A「え、なに?」
B「その話、まったく興味ない」
A「おい!(笑)」
〈イジる時の前置きの例②〉
A「このアニメのいいところは、監督のこういうこだわりで……」
B「……あのさ、ものすごい残酷なこと言っていい?(前置き)」
A「え、なに?」
B「まったく話聞いてなかった」
A「おい!(笑)」
このように前置きをうまく使えば、イジリをしっかりと笑いに変えることができます。誰かをイジろうと思ったときは、「前置き」を入れられないか、少し考えてみるといいでしょう。
芝山大補(しばやま・だいすけ)
ネタ作家
1986年兵庫県生まれ。2007年、NSC大阪校に入学。2009年、2011年には、それぞれ別のコンビでキングオブコント準決勝進出。2015年にはフワちゃんと「SF世紀宇宙の子」を結成。同コンビを解散後は、ネタ作家に転身。賞レースのファイナリスト、セミファイナリストなど、芸人300組以上のネタ制作に携わる。2019年からは、「笑いの力で人間関係に悩む人を救いたい」という想いから、お笑いの技術を言語化して伝える「笑わせ学」に取り組む。講義やイベントでの指導、YouTubeやTikTokでの活動を通じて、多くの人に芸人の技術を伝えている。発売から続々重版が決まっている初の著書『おもろい話し方』が絶賛発売中。