「子どもには、少しでも体によいものを食べさせたい!」ですよね。
でも、ごはんは毎日のこと。なるべくシンプルで簡単に済ませたいものです。
この連載では、『医師が教える 子どもの食事 50の基本』の著者で、赤坂ファミリークリニックの院長であり、東京大学医学部附属病院の小児科医でもある伊藤明子先生が、最新の医学データをもとに「子どもが食べるべきもの、避けるべきもの」をご紹介します。
不確かなネット情報ではなく、医学データと膨大な臨床経験から、本当に子どもの体と脳によい食事がわかります。毎日の食卓にすぐに取り入れられるヒントが満載です。
※食物アレルギーのある方は必ず医師に相談してください。
マーガリンとバターは体にいい?悪い?
常温で固体の脂肪(バターやラード)と、常温で液体の油(サラダ油など)を合わせて油脂といいます。
油脂は、
●健康を損なう飽和脂肪酸(ほうわしぼうさん)
●炎症を抑える働きをもつ不飽和脂肪酸
の2つに分けられます。
飽和脂肪酸は、バターやラードのように一般に常温では固体で、乳製品や肉の脂(あぶら)です。
マーガリンは製造工程のなかで水素添加というプロセスがあり、その水素が私たちの体に入ると、とても強い炎症反応を起こす「フリーラジカル」になって、血管や臓器を傷つけてしまいます。
バターは風味がとてもよいですが、摂りすぎるとLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増やしてしまい、動脈硬化のもとになります。心臓や脳の血管が詰まったり、破裂したりするリスクが上がります。
ラードは食材がカラッと揚がっておいしく感じますが、体には悪い脂です。
オリーブオイルは体にいい? 悪い?
植物油は体によい不飽和脂肪酸が多く、とくに良質なオリーブオイルには豊富に含まれています。オイルは加熱すると酸化する特徴がありますが、良質なオリーブオイルは加熱しても酸化しづらいです。なるべくオリーブオイルを使用しましょう。
ただオイルは1gあたり9kcalと高カロリーで、大さじ1杯(重さ約13g)で約120kcalにもなります。摂りすぎると体内に蓄積するので注意しましょう。
脂っこい食事で寿命が短くなる?
脂肪の多い食事をしている人は、早死にするというデータがあります[*29]。昔ながらの昭和の食卓に比べると、現代の食事は全体的に高脂肪になってきています。これは子ども時代からの積み重ねです。から揚げなどの揚げ物を食べる回数は少なめにしましょう。
このほかにも『医師が教える 子どもの食事 50の基本』では、子どもの脳と体に最高の食べ方、最悪の食べ方をわかりやすく紹介しています。
(本原稿は伊藤明子著『医師が教える 子どもの食事 50の基本』から一部抜粋・改変したものです)