米国の高齢者向け医療保険制度「メディケア」に昨年導入された保険適用を大幅に制限するルールにより、このほど承認されたアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」は今後何カ月もの間、米国のほとんどの患者の元には届かないだろう。
米食品医薬品局(FDA)は6日、エーザイと米バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病治療薬のレカネマブ(商品名:レケンビ)を、初期段階のアルツハイマー病患者の治療薬として承認した。そうした患者の大多数はメディケアの保険に加入しているが、政府の認可した臨床試験(治験)に登録した患者でない限り、この薬剤の代金がメディケアから支払われることはない。その種の治験は行われておらず、行われる予定もない。
アルツハイマー病患者の擁護団体、アルツハイマー病協会は12月、米厚生省のメディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)に対し、この方針を再検討するよう要請した。