ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「ニュージーランドってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

ニュージーランドってどんな国?

 ニュージーランドは、オーストラリアの南東方向に位置する、南太平洋に浮かぶ島国です。オセアニアのポリネシアに分類されます。

 ニュージーランドは、オーストラリアと同様にイギリスの植民地だったため、イギリスからの移民が多く、ヨーロッパ系住民が7割を占めます。公用語は英語と先住民のマオリ語のほか、2006年に手話が加わりました。マオリは人口の15%程度を占め、ヨーロッパ系とマオリの2文化を基盤とした多文化の国です。

 1893年に、世界に先駆けて女性の参政権を認めた歴史もあり、政治的にもダイバシティの先駆けを行っています。

 緯度のわりには暖かく、温帯気候に属し、国土は日本の3分の2程度です。2つの主要な島である北島と南島のほか、多数の島で構成される海洋国で、沿岸部にはニュージーランド固有種のペンギンが生息します。南島はサザンアルプス山脈が走る山がちな国土で、飛べない鳥キウイやタカへなども生息します。

 温帯でありながら氷河も見られ、夏には半そでのシャツで氷河を見に行く人もいます。

 森を開墾した牧場・牧草地が国土の4割を占め、人口の6倍の羊そして牛、鹿などが飼われています。また、国土の3割を国立公園や森林保護区に指定するなど規制をかけ、自然保護や環境の保全に力を入れています。

 自然保護活動は、トレッキングなど自然を楽しむ観光と結びつき、豊富な自然を楽しめる国として国内外の観光客を楽しませています。

「ニュージーランドってどんな国?」2分で学ぶ国際社会ポリネシア

ニュージーランド

面積:26.9万km2 首都:ウェリントン
人口:499.1万 通貨:ニュージーランド・ドル
言語:英語(公用語)、マオリ語(公用語)、手話(公用語)、サモア語
宗教:キリスト教37.3%、無宗教48.6%

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)