2022年の米労働者の賃金上昇ペースは、2年連続でインフレ率に追いつけなかった。史上まれな大幅賃上げにもかかわらず、家計は苦しくなっている。ただ直近のデータでは、インフレが鈍化する一方、給与は増え続けており、変化が起きつつあるとみられる。この傾向が2023年も続くかどうかは米経済の行方次第だ。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げで景気は冷え込み始め、景気後退(リセッション)のリスクに直面している。米労働省の先週の発表によると、雇用市場の歴史的なひっ迫を受け、12月の平均時給は前年同月比4.6%増加した。これに対し、同じ期間のインフレ率は年率6.5%だった。同様に、2021年12月の平均時給は前年比4.9%増で、インフレ率は年率7%だった。