
専用プラットフォームで新たなるスタイルに
国内では2019年のEQCを皮切りに導入が開始されたメルセデスの電動車ブランド“EQ”。続いてEQA、EQBとサイズの異なる3タイプのSUVが発売されてきたが、ここにきて本命のセダンタイプが上陸した。
EQSという車名からもわかるとおり、Sクラスに相当するフラッグシップモデルだ。これまでのEQモデルが、内燃エンジンモデルと共用のプラットフォームを使っているのに対してEQSはメルセデスとしては初となる電気自動車専用のプラットフォームを採用している。
専用のプラットフォームを用いたことで、バッテリーなどの重量物をフロア下の前後アクスル間に効率的に配置。フロントにはエンジンがないため、前後のオーバーハングを切り詰めたキャブフォワードなスタイリングを実現した。またセダンといえば普通は独立したトランクを備えているが、EQSはリアにハッチゲートを備えたファストバックだ。先述のとおり前後のオーバーハングを切り詰めたことで得た3210mmという長いホイールベースを活かし、スタイリッシュなスタイリングと、ゆとりのある後席の居住空間を両立させているというわけだ。フロントからルーフ、そしてリヤエンドまでが1本のラインで弓のようにしなやかな曲線を描くことからメルセデスはこれを“ワンボウ・デザイン”と呼んでいる。