みなさんも「立春」「春分」「夏至」といった言葉を聞いたことがあるでしょう。これらは「二十四節気」を示す語句です。二十四節気とは春夏秋冬の四季をさらに六つに分けたもの。この二十四の節気ごとの自然の移り変わり、旬の食べもの、昔からの習慣などに沿って日々の健やかな暮らし方を説いた話題の本が『二十四節気に合わせ心と体を美しく整える』です。
同書のなかから前回に引き続き、「大寒」の過ごし方を紹介します。今回紹介するのは、この時期の体の整え方や、摂るべき食についてです。一年で最も寒いこの季節は、特に体をいたわる必要があります。また体に採り入れる食べものにも、最大限気を使ってください。

大寒にオススメの食べ物、里芋、山芋。Photo: Adobe Stock

極寒の時期に体を整える方法

「大寒」の期間(1月20日~2月3日頃)は、季節の変わり目とされる「冬土用」とも重なります(今年は1月17日~2月3日)。非常に寒いうえに季節の変わり目ということで、胃腸虚弱になりやすく、またその回復に時間がかかる時期なのです。

 色白で柳腰、痩せ型タイプの人は特に注意が必要です。ただしこのタイプの人は元来胃腸が弱いため、日頃からお腹をくだしやすい傾向にあります。しかし逆に大病も留まらずに流れてしまうため、長生きしやすいという良い面もあるのです。

 大寒の時期に体を整えるには、食事を1日4~5食に分け、栄養バランスのよい食物を少量ずつ摂るのがよいでしょう。

 間食も菓子ではなく、おにぎりなど軽い食事を摂るようにしましょう。いずれにせよ体を冷やすのは禁物です。

 水太りもしやすい時期です。改善法は、体を温めてむくみを取っていくことです。温かい滋養強壮の食材を摂れば、気力も高まります。

 大寒は、春の芽吹きに備えて種を撒くべきときです。冬眠から元気に目覚められるように、早寝遅起きの生活を続けながら、心のウォームアップを始めるのです。

 漢方薬では「大健中湯(だいけんちゅうとう)」が有効です。腹痛全般に効果があります。お腹が冷えてしまったと感じたときなどに1~2包飲むことをお勧めします。

大寒のときにおすすめの食べ物

 里芋は、その辛味で気分を明るくしてくれます。体の滞りを改善するので、肩こりや腫物にも効果的です。冷え性や暑がりの人が毎日食してもよく、胃腸が丈夫になって消化や便通も快適にしてくれます。

 山芋は、薬膳料理に最もふさわしい食材です。体力をつけ、滋養強壮の効果が絶大です。加齢による老化を防ぐアンチエイジングの効果もあります。もちろん、精力増進や薄毛にも効果が期待できます。

 大寒の時期の不養生が、さまざまな体調不良につながります。今のうちに冬野菜をたくさん食べ、うなぎや豚肉、すっぽん、高麗人参、地黄の入った漢方薬や、免疫力がアップするサプリなどを意識して摂るようにしましょう。

 しっかり体を整え、時節に合った食事を摂っていれば、厳しい寒さのなかでも日々健やかに過ごせるのです。

 次回は「立春」の時期の過ごし方を紹介します。