中国の住宅市場は昨年、経済成長のエンジンから足かせへと変貌した。住宅販売は不振にあえぎ、価格も急落。関連業界では大量の失業者が出た。今年についても大幅な改善は期待できないとみられており、高度成長の復活を目指す中国政府の取り組みを難しくしている。中国の新規住宅販売は昨年、28%減の1兆7000億ドル(約218兆円)と、5年ぶりの水準に落ち込んだ。床面積でもおよそ10年ぶりの低水準となった。開発業者によるデフォルト(債務不履行)が相次いだほか、未完成マンション物件の建設遅延、新型コロナウイルス感染対策に伴うロックダウン(都市封鎖)の影響で、消費者心理が冷え込んだ。中国の土地売却は昨年、面積ベースで53%減り、国家統計局がデータの公表を開始した1999年の水準を割り込んだ。土地売却の急減は、不動産ブームだった近年と比べて、新規住宅の供給が今後著しく減ることを示唆している。