――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  昨年は液化天然ガス(LNG)の年だった。ロシアが欧州へのガスのパイプライン供給を削減したことで価格が急騰し、欧州をリセッション(景気後退)の危機に陥れた。今年は2022年のようなパニックに誘発された価格高騰は再発しないだろうが、価格下落に賭けるのも賢明ではないだろう。  欧州の予想外の暖冬を受け、LNG価格は下落した。アジアのLNGスポット価格は、昨年8月に付けた最高値から67%近く低下した。金融情報会社リフィニティブによると、現在は100万英熱量単位(BTU)当たり23ドル前後で推移している。