ロシアルーブルは2022年、予想外の上昇相場となり、年間上昇率で上位の通貨に名を連ねたが、足元では弱含みつつある。今後の方向性は、欧米諸国の制裁措置が相次ぎ強化される中でロシア経済がいかに持ちこたえているかを示す指標となる。ルーブルは昨年12月初め以降に対ドルで12%下落し、過去1年間の上昇幅のほぼ半分を失った。同月に欧州連合(EU)のロシア産原油禁輸措置が発動され、それと同時に米国が中心となってロシア産原油にバレル当たり60ドルの取引価格上限を設けると、ルーブルは下げ始めた。2023年の最初の2週間はルーブルが小幅に反発したが、エコノミストの間では、今年はロシアが欧米諸国の制裁による圧力を感じ始め、ルーブルが下げるとの見方が大勢だ。ルーブルが急落すれば、ロシアにとって長年の問題であるインフレが再燃し、政府はウクライナ戦争にリソースを振り向けることが難しくなる可能性がある。
揺れるルーブル相場、対ロ制裁強化の影響は
昨年は予想外の上昇相場となったが、12月に新たな制裁措置が発動されると下落し始めた
有料会員限定
あなたにおすすめ