米フロリダ州教育省は、州内の公立学校でアフリカ系米国人研究の上級科目(アドバンスト・プレースメント=AP科目)の授業を教えることを許可しないと発表した。州教育省は、アフリカ系米国人による社会貢献について教えるAP科目は州法に違反しており、教育的価値がないと指摘。AP科目を作成した米非営利団体カレッジボードによると、2022-23学年度は全米60校でこの科目の授業が行われている。フロリダ州教育省は先週、カレッジボード宛てに書簡を送付し、「今後、カレッジボードが合法的かつ歴史的に正確な内容に基づき議論の場に戻る意思があるのならば、われわれはいつでも協議を再開する意向だ」と記した。共和党のロン・デサンティス知事は昨年、「ウォーク(社会的不公正に問題意識を持つこと)による洗脳」を標的にした法案に署名して法制化した。同法は、公立学校や民間の雇用主が、特定の人種に配慮した教育を義務付けることを禁じている。米国自由人権協会(ACLU)をはじめとする複数の団体は、この法律が言論の自由を侵害する可能性があるとして、異議を申し立てている。