中国春節でゼロコロナ後初の「民族大移動」、景気回復への“期待と不安”春節を前に、海口美蘭国際空港でチェックインする旅行者たち Photo:China News Service/gettyimages

「ポスト・ゼロコロナ」の春節に
延べ20億人以上が「民族大移動」

 1月22日、中国が春節(旧正月)を迎えた。昨年、中国人民は「ゼロコロナ」下で居住地での年越しを要求されていたが、昨年12月上旬以降の「ゼロコロナ」策大幅緩和、実質解除を受けて、今年は基本的に自由な、当事者の意思による帰省が認められている。例年の7割程度ではあるが、延べ20億人以上があの広大な大地で「民族大移動」を展開することになる。

 筆者の周りを見渡しても、「2年ぶりに帰省する。飛行機に乗るがPCR検査や陰性証明といった制限はもうない」(北京在住の湖南省出身者)、「仕事があって帰省はできないが、年越しイベント会場は人の海で、中に入ることすらできなかった」(湖北省出身の西安在住者)、「イタリアに旅行する。3年ぶりの海外旅行。ビザも無事取得できた」(北京出身の北京在住者)といった声が聞こえてくる。確かに、人々は過去2年とは異なる春節を迎えているように見受けられる。

 1月18日午前、習近平総書記(以下敬称略)が北京の人民大会堂で、黒竜江省、福建省、新疆ウイグル自治区、河南省、北京市、四川省などの現場とビデオでつなぎ、医療従事者、老人ホームにいる高齢者、エネルギー現場の関係者、高速鉄道駅の幹部、農産品卸売市場の現場労働者、農村観光関係者などと対話を行い、現場の状況の把握などに努めた。