悪いニュースはもはや良いニュースではないのかもしれない。年明けから2週間、金融市場は大みそかのパーティーが続いているかのようなにぎわいだった。市場参加者はインフレを抑え込むまで利上げを続けるとの米連邦準備制度理事会(FRB)のメッセージを、最悪期を脱したことを示す新たなシグナルと受け止めた。先週になって状況は一変した。株価は13日にピークを付けたあと低迷している。S&P500種指数は3日間で3%近く下落し、今月急騰した銘柄の多くは大幅に値を下げた。ムクドリや魚の群れを見たことがあれば分かるだろうが、生物が集まって形成する巨大な群れは意識を共有しているかのように、なぜか突然、方向転換することがある。いつもそうだが、投資家にとっての試練は、多くの市場参加者や大量の資金が一気に方向転換しても、わが道を貫くということだ。