ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。
ニューカレドニアってどんな場所?
ニューカレドニアは南太平洋に浮かぶフランスの海外領土で、政庁所在地ヌーメアのあるニューカレドニア島(グランドテール島)やロイヤルティ諸島(ロワイヨテ諸島)など、数十の島々で構成されます。
ニューカレドニアという名称は、イギリスのスコットランド(旧名がカレドニア)に風景が似ていることに由来しています。1853年にフランス領土であることが宣言され、1800年代後半には政治犯の流刑地となっていました。
世界有数のニッケルの産地
また、1800年代末から世界的にニッケル需要が増大し、ニューカレドニアでニッケルが発見されたことで、ヨーロッパや日本をはじめとするアジアからの鉱山労働者の流入が増加しました。
1800年代終わりから第二次世界大戦が始まるまで約5500人の日本人労働者がニューカレドニアに渡ったとされます。ニューカレドニアのニッケルの埋蔵量は世界の1割程度とみられています(2016年)。
観光業に力を入れ、世界遺産に登録された世界第2位の大きさを誇るサンゴ礁ニューカレドニア・バリア・リーフや、動植物ともに固有種が豊富な生態系、さらにはフランス文化などが観光資源となっています。
独立運動が起きていて、議会の議席数では独立賛成派と反対派が拮抗し、独立の是非を問う住民投票でも賛成票と反対票が拮抗しています。
ニューカレドニア
面積:1.9km2 政庁所在地:ヌーメア
人口:29.4万 通貨:CFPフラン
言語:フランス語(公用語)、ポリネシア語
宗教:カトリック60%、プロテスタント30%
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)