2022年から日本のグローバル教育界にビッグニュースが相次いでいます。台風の目はイギリス系超名門ボーディングスクールの日本上陸。ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン、マルバーン東京校、ラグビー日本校の開校は、日本のみならずアジアの富裕層かつ教育熱心な方々の注目が集まっています。グローバル教育の最前線と、小・中学校受験に与える影響についてリポートします。(教育コラムニスト 佐野倫子)
年額900万円、ハロウ安比校の日本上陸で教育の選択肢が広がった
2022年夏、岩手県八幡平市安比高原にイギリスの超名門ボーディングスクール、ハロウスクールの流れをくむ全寮制のハロウインターナショナルスクール安比ジャパン(以下ハロウ安比校)が開校しました。1年にかかる学費と寮費がなんと900万円ということで、テレビや新聞でも話題になったためご存じの方もいらっしゃるでしょう。
「このような高額な教育費を捻出できるのは、一体どのようなご家庭で、保護者は何を求めて入学させているのだろうか?」
率直に言って、去年開校のニュースを聞いたときに浮かんだのはそんな疑問でした。
ただ、そこにはおそらく、これからのグローバル教育の潮流を占うヒントが隠されているはずです。ここ数年、これまで小学校受験、中学校受験を主戦場としていた日本の教育熱心な層が、海外ボーディングスクールやインターナショナルスクールを選択肢に入れているという話もありますが、果たしてその実態も気になるところです。
その答えを求めて、ハロウ安比校で実際の授業や課外活動・寮生活を取材しました。