新春恒例のマグロの初競り。今年は大間のクロマグロが3604万円で競り落とされて話題となった。マグロの初競りに見られるように、日本人は初物が好きである。今年の初競りマグロを実際に食べてみた感想と併せ、日本人の「初物好き」について解説しよう。(講演・研修セミナー講師、マーケティング・コンサルタント 新山勝利)
ご祝儀相場も相まって
高値が付くマグロの初競り
年明け2023年1月5日、午前5時過ぎから東京の豊洲市場で、今年も新春恒例の風物詩、マグロ初競りが行われた。
最も高い取引価格は、青森県大間産のクロマグロ(212kg)が、3604万円(1kg当たり17万円)で競り落とされた。
その一番マグロは、高級寿司店「鮨銀座おのでら」から依頼を受けた仲卸大手「やま幸(ゆき)」が、3年連続で手に入れた。
特に新年最初、マグロの初競りは、新たな年を迎えるご祝儀相場も相まって高値が付く。
最近5年間のマグロの初競り金額は以下の通りだ。
今回、一番マグロを釣り上げた漁師には、落札額3604万円のうち税金などを引いた約6割が取り分となるので、総額約2200万円が手元に入る。その極寒の中でマグロを追う過酷な漁師の姿は、それだけでテレビ番組にもなるほどだ。