鉱物採掘を手がける企業はリチウムやコバルト、ニッケルなど充電式バッテリーに不可欠な鉱物の供給拡大に動いている。だが、バッテリーの負極に使われることが多い黒鉛(グラファイト)は、これまでほとんど見過ごされてきた。だがここにきて状況が変化しつつある。世界最大級の自動車メーカーや電池メーカー、さらには米国政府が黒鉛の供給を確保しようと競い合っている。バッテリー用に適した黒鉛の供給が不足しつつある兆候が出ているためだが、いまのところ黒鉛価格にはその影響は出ていない。マダガスカルで黒鉛の開発プロジェクトを手がけるネクストソース・マテリアルズのエグゼクティブ・バイスプレジデント、ブレント・ニコリエーション氏は「黒鉛は電池材料として忘れ去られた存在になりがちだが、電池の半分は黒鉛だ」と言う。「電池の中では一番大きな原料だ」
EVバッテリー用黒鉛、人造より天然へ需要シフト
供給不足へ備え急ぐ大手電池・自動車メーカー
有料会員限定
あなたにおすすめ