2022年上場企業のM&Aは949件でリーマンショック後の最多を2年連続で更新

2022年のM&A市場は盛況のうちに幕を閉じた。総件数は前年を72件上回る949件とリーマンショック後の最多を2年連続で更新した。飛躍的な件数増は産業界の旺盛なM&A意欲を示した。取引金額は前年比24%減の6兆5612億円で、こちらは2015年(6兆1831億円)以来の低水準に。「兆円」クラスの超大型M&Aが姿を消すなど、総じて案件規模が縮小したことが響いた。(M&A Online編集部)

 M&A市場は金融危機を招いた2008年9月のリーマンショックを境に長らく停滞した。この年のM&Aは870件を数えたが、翌2009年に800件台を割り込み、最悪期は630件台まで低下した。800件台を回復したのは11年後の2019年。コロナ禍の影響で2020年は足踏みを余儀なくされたが、2021年は877件とリーマンショック後の最多を記録する快挙を達成した。文字通り、コロナ禍をバネにM&A市場が活況を取り戻す形となったのだ。

 そして迎えた2022年。2月に入るとブレーキがかかり、件数は4月まで3カ月連続で前年を下回った。ロシアのウクライナ侵攻や急激な円安で経済環境が大きく変化する中、ペースダウンに見舞われた。4月末時点で21件の前年比マイナス。累計でプラスに転じたのは6月で、以降、“貯金”を着実に増やした。ハイライトは9月。月間105件と2008年3月以来14年半ぶりに100件の大台に乗せた。

2022年上場企業のM&Aは949件でリーマンショック後の最多を2年連続で更新