米国では株価の下落によって勢いづいたアクティビスト(物言う株主)が、同じ大企業に群がっている。成長鈍化と経営陣の退職に苦しむ顧客関係管理ソフトウエア大手のセールスフォースは、少なくとも4社のアクティビストに直面している。娯楽・メディア大手のウォルト・ディズニーは有名なアクティビスト2社に目を付けられ、そのうち1社は取締役会の席を巡って戦いを挑んでいる。クラウドソフトウエアのスプランクは昨年アクティビスト2社に関与され、玩具メーカーのハズブロは取締役の選任を巡りアクティビスト2社の要求をかわした。ラザード・キャピタルマーケッツ・アドバイザリー・グループがまとめたデータによると、2022年に複数のアクティビストが米国企業に変革を求めたケース――銀行関係者はこの状況を「スウォーミング(群がり)」と呼ぶ――は計17件で、21年の9件、20年の7件から増加した。19年と17年はともに20件だった。業界の専門家は、アクティビストの活動が全体的に高まるにつれて今年も件数は増え続けると予想している。
米企業に「群がる」アクティビスト、株安で勢い
ディズニーやセールスフォースも標的、複数の物言う株主が同じ企業に関与する事例が増加
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