高等教育進学率は高くても
修士・博士課程進学率で劣る日本
教育制度は国ごとに異なるため単純な比較は困難ですが、労働政策研究・研修機構『データブック国際労働比較2022』で主要先進国における25歳未満層の高等教育進学率を見ると、日本は72.3%でアメリカの44.8%やイギリスの66.1%、ドイツの55.8%と比較して高い水準にあります。
なお、ここで言う高等教育とは日本の場合、短期大学等から大学院の博士課程までが当たります。
一方、25歳未満の学士課程相当以上になると、日本は49.8%と一気に数字が低くなるのに対しイギリスは62.8%、ドイツは44.7%です(アメリカは記載なし)。
さらに30歳未満修士課程の進学率は日本の7.6%に対し、アメリカは9.2%、イギリス25.8%、ドイツ28.4%という数字で、日本は一段と低くなります。
また、別の資料で100万人当たりの博士号取得者を比較すると、日本は120人(2019年度)ですが、アメリカは281人(18年)、イギリスは313人(20年)、ドイツ315人(20年)と、他の先進諸国とは大きな開きがあります(文部科学省 科学技術・学術政策研究所『科学技術指標2022』)。
こうした数字を見ると、日本では大学院へ進学し修士号、博士号を取得する人が先進諸国と比べ少なく、その意味では、実は世界の中で「低学歴」であるといえるのです。
今回はこの「低学歴の日本」が招く、グローバルエリートとの差についてお話ししていきましょう。